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日本人は日本人と結婚した方が幸せになれる?
フィリピンハーフである私は、日本のおじいちゃん、おばあちゃん、何よりも父にとても愛されて育ってきたと思っています。
20数年前の日本の田舎では、外国人に対する偏見はまだ存在していました。
でもそれを超える愛情を感じたときに、私は日本人が好きになり、日本人でありたいと願うようになったのです。
父と暮らし始めて、都会の学校へ転入してから、私と同じような子供が沢山いる事に驚きました。
中学校では、私のクラスには6人のハーフの子達がいました。
そのうち私を含めてハーフフィリピンが2人、ハーフチャイナが2人、ハーフコリアが1人、それとハーフアメリカが1人でした。
他のクラスにも様々な国とのハーフの子供達がいましたので、外国人に対する偏見は感じませんでした。
同じハーフの子達でも、日本語の理解力にはかなり差があって、私はタガログ語の話せないハーフフィリピンでしたから、逆に驚かれたのを覚えています。
日本で暮らすには、どうしても日本語の理解力は大事だし、日本語を中心とした生活をしていないと意思疎通が出来ません。
外国人の親が、日本で子供を育てている場合には、「学校」を通して子供達は日本語を学び理解力を鍛えていきますので、自然と親よりも日本語が上手になるようです。
私の場合は、日本人である父がずっと一緒でしたので、日本語は理解できますが、他の国の言葉はさっぱり分かりませんでした(汗
国際結婚をしたい人に考えて欲しいデメリット
父を見てきた私としては、「日本人は日本人と結婚するのが良いのではないか」と思っていました。
でも、その「良い」という意味は、どちらかと言うと「楽」とか「安心」だからという意味です。
国際結婚を否定しているわけではないし、むしろ日本人はもっと積極的に外国人を知るべきだと思っています。
では国際結婚を考えたときに、どんな事がデメリットになるのでしょうか?
色々な意見をまとめてみると、以下の様な理由が多いようです。
- 言葉と言葉の意味への理解力
- 文化や価値観の違い
- 宗教の違いからくる思想の違い
- どちらか一方の国で暮らす事によるホームシック
- 現実的に国際結婚の離婚率が高い
- 日本人同士よりもお金がかかる
- 社会的な信用力が得られない
その他個人的な意見も含めると諸々の理由があるようですね。
1の言葉の壁については、国際結婚ならではの大きな障害と言えますね。
余程相手の国の言葉を話せる者同士でないと、人間にとってもっとも大事な、言葉のコミュニケーションが不足しがちになります。
特に共通言語を持たない者同士であれば、なおさら言葉の壁は大きく感じるはずです。
同じ言葉でも使うシーンによっては意味が変わったりするのは、日本語でも同じですので、それがパートナーとして傍にいる人ならばなおさらです。
しかも、日本語とスペイン語を話す者同士が英語という共通言語で会話をするなどの例を見れば更に意思疎通は難しくなると言えますね。
2の文化や価値観についても、同じ日本人同士に比べたら、生まれた瞬間から育ってきた環境が違うし、話す言葉も着る服も違うのですから、当然と言えば当然です。
3の宗教観については、世界の歴史を見れば明らかで、今も世界のどこかで起きている戦争という名の紛争も、その根底が宗教観の違いである事が殆どである事を考えれば納得です。
4は現実的にパートナーのどちらかの国で暮らす事になるのですから、生まれた国を離れる者にとっては、いずれ1,2,3のような原因で不安やホームシックになる事もあるでしょう。
5の離婚率については、確かに統計によると高い数字を出しているようですし、事実私の父と母も離婚をしています。結婚に対する考え方、離婚に対する考え方も国によって違うのですから無理もありません。
6は如実に言えるのは、経済的な差のある国のパートナーを得た場合には、特にその傾向はあるかと思いますし、特に貧しい国の出身者をパートナーとして選んだならば、家族への仕送りなどは仕方の無い事だと思います。
7の社会的信用についても、やはりパートナーのどちらかは、暮らす国にとっては外国人なのですから、社会的な信用を得るためには、ある程度の時間も必要でしょうし、それまではパートナーへ依存した信用形態にならざるをえません。
国際結婚をした父に聞いてみた
これほどのデメリットがあるのに、どうして国際結婚をする人が後を絶たないのでしょうか?
実際に国際結婚に踏み切った父へ、私はその気持ちを聞いてみることにしました。
「確かに言葉の問題は大きかった。」
「価値観の違いも大きかった。」
「特に宗教の違いからくる価値観を否定してはいけない。」
父は今まで母の悪口を言ったことがありません。
そして国際結婚に対する苦労話を語ったこともありませんでしたので、私にはとても興味ある会話となりました。
実際に国際結婚をしてどんな苦労があったのかは、次の記事で書こうと思います。
どうして国際結婚へ踏み切ったのか?
私が最も知りたかった答えを父に求めました。
父の答えは実に簡単で、あまりにファジーと言えばそれまでですが、父自身の感覚は、私には何故かすべてを網羅して納得できるものでした。
「Sherry、お前の愛には国境があるのか?」
「パパはママを好きになって、その結果どんな苦労があっても受け入れるしかないという覚悟をしたよ。」
「同じ日本人だって、地域が違えば外国人のようなものだろ」
「最初から外国人を選んだのではなくて、愛した相手が日本人ではなかっただけの事だ」
そして父が私に言いました。
「パパとママは事情があって別れてしまったけれど、忘れないで欲しい。」
「お前はパパとママが望んで生まれてきた子供だ。とても愛されて生まれてきた子供なんだよ」
「だから、日本人だろうが、外国人だろうが、例えお前が宇宙人であっても、お前はパパが世界で一番愛している娘なんだ」
私は自然と涙がこぼれました。
続きはこちら 国際結婚シリーズ パート3
まだ読んでいなければ 国際結婚シリーズ パート1
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